食べる

2020-04-08

再び動き出した漁港

「魚が水槽で跳ねる音、競り落とされた魚を入れたカゴを引く音、男たちの笑い声…。とにかく、懐かしい。震災前を思い出すよ。」

9年ぶりの競りの再開に立ち会おうと駆け付けた元漁業関係者が、その様子を遠くから眺め思わず言葉を漏らし、懐かしさに目を細めました。

2011年に発生した東日本大震災により甚大な被害を受けた請戸漁港。

それから9年間、休止していた競りが202048日に再開されました。
浪江町長は「震災前、請戸の競りは威勢のいい声が響き、大変活気づいていました。競りが復活することは、震災によって傷ついた多くの町民に活力を与えてくれることでしょう。」と話します。

競りが行われた施設は2019年に新たに完成したもので、荷さばきや管理棟、貯氷冷凍庫棟などを備えています。

新鮮な魚介類が身近に

震災前、浪江町唯一となるこの請戸漁港は、とても盛んに操業がなされていました。

町民は水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を“朝市”で買い求め、観光客は漁船に乗って漁業体験ができるなど、漁師さんたちが一体となって町を盛り上げてきました。

かつての日常が失われ、自由に漁業が進められない中でも、しっかり前を向いて取り組んできた漁業関係者たち。こうした努力が少しずつ実を結び、形となっています。

今後は、試験操業に合わせ週3回程度の競りが行われる予定で、町内のスーパーで購入できたり、飲食店で食べられる日が、もうすぐそこまで来ています。

 

イオン浪江店では、先ほど水揚げされたばかりの新鮮な魚が、早速店頭に。
これから請戸漁港で水揚げがなされれば、ここイオン浪江店で購入することができるようです。

「請戸もの」の味を、ぜひご賞味あれ。


【請戸漁港】
周辺は防波堤の復旧工事が進められています。通行ができない箇所には立ち入らないようお願いいたします。なお、漁港には駐車場がございます。ご自由にご利用ください。